後立山連峰、爺ヶ岳から鹿島槍へ。

後立山連峰、爺ヶ岳から鹿島槍へ。
【1日目】柏原新道登山口➡(3時間10分)種池山荘➡(50分)爺ヶ岳南峰➡(10分)爺ヶ岳中峰➡(20分)爺ヶ岳北峰➡(50分)冷池山荘 
【2日目】冷池山荘➡(1時間50分)爺ヶ岳南峰➡(40分)種池山荘➡(2時間20分)柏原新道登山口

剱・立山連峰を眺めながら稜線歩き

登山口まで歩いて5分ほどの

扇沢市営第2駐車場は

朝の4時半を回って、ほぼ満車だったが、

運よく停めることができた。

1日目は柏原新道から入山し、

冷池山荘まで約6時間の山行となった。

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柏原新道は、よく整備された

歩きやすい登山道である。

進むたびに、場所を示すプレートが掲げられ、

その名もユニークで楽しい。

落石など注意しなければならない箇所には、

看板が設置され安全を促すなど

登山者に対してとても親切だ。

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歩きやすいが距離も長く、ところどころ

急な斜面もあり、なかなか一気に進めない。

この時期(8月初旬)は、高山植物も多く咲き、

折れそうな心を癒してくれる。

後半の急登、富士見坂、鉄砲坂を過ぎると

種池山荘だ。

スタートして3時間10分、やっと到着。

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種池山荘はスバリ岳・針ノ木岳・蓮華岳方面、

爺ヶ岳・鹿島槍・五竜岳方面への分岐点だ。

オレンジ色の三角屋根の外観は、遠くからでも

よく分かり、山の景色にとてもよく映える。

ピザが有名であるが、

午前10時からの提供とのこと。

断念して爺ヶ岳方面へ向かう。

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ここからが素晴らしい稜線歩きの始まりだ。

綿毛が印象的なチングルマの道の先には

爺ヶ岳が姿を見せ、振り返れば、

スバリ岳・針ノ木岳・蓮華岳への稜線、

その背後には剱・立山連峰が姿を現す。

何とも美しい!幸せロードだ。

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爺ヶ岳南峰の手前、ハイマツの中に

ライチョウが姿を見せた。

悪天候の日に現れるライチョウだが、

こんな天気のよい日に出没するとは・・

これまた、運がいい!!

しばらく、その動きを堪能した後、

爺ヶ岳南峰へと登頂した。

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先ほどは真後ろに見えていた剱・立山連峰が

真横にドーンと見えている。

しかも雲もなくクッキリとその姿を現し、

しばし見とれていた。

あまりの美しさに笑みがこぼれる。

周りの登山者も笑顔だ。

お互いに写真を撮りあい言葉を交わす。

見ず知らずの方と景色の美しさを

共感できる最高の瞬間だった。

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爺ヶ岳は南峰・中峰・北峰とあり、

中峰が一番標高が高く、

北峰は山頂に登ることができない。

本来なら中峰に行くべきだが、足がかなり疲れ

今回はスルーして巻き道を選んだ。

北峰も巻き、下ったところが冷乗越だ。

ここから登って下って、さらに登りかえすと、

冷池山荘に着く。

しかし、一睡もせずに4時間運転し、

到着後、すぐに5時間半も歩き続けると、

筋肉の疲労は蓄積し、乳酸はたまり、

もう限界であった。

山荘手前の最後の登り坂で

ついに内転筋が攣ってしまい

立往生する羽目に。

しばらく筋肉をほぐして、ゆっくりと歩いて

何とか冷池山荘にたどり着いた。

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呑みながら冷池山荘での楽しい語らい

テント場は山荘から15分ほど

登山道を登ったところにあった。

午後になり、予報どおりにガスが上がってきて

辺りは真っ白になっていた。

テントを張って、落ち着いたので

山荘前のテーブルでビールを飲むことに。

先ほど爺ヶ岳山頂で言葉を交わした

登山者2人と合流。

鹿島槍登頂は明朝にして、

しばし飲み会状態となった。

登山歴10年、5年とお二人は

私よりも経験豊富。

色々な山行の話からザックやウェアの話など、

何時間も話は尽きない。

こういう出会いがあるから、山は楽しい。

山という共通テーマがあるだけで、

何時間も喋れるってすごいことだなあと

つくづく思った。

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テント場に戻り夕陽を愛でながら

サクッと夕食(昼食)を取り、横になる。

あまりにもカラダが疲れすぎて、

なかなか眠れない。

内転筋もなんか嫌な感じだ。とにかく休もう!

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翌日は3時半に起きるが、

カラダが非常に重く内転筋も硬くなっている。

肉離れでも起こしたら大事になると思い、

鹿島槍ピストンは断念して

昨日来た道を戻ることにした。

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日の出を拝みつつ爺ヶ岳方面へ歩を進める。

雲海が広がり陽が上がってくるこの時間帯は

山が最高に輝いて見える。

一日の始まりには希望がある。

そんな光景を愛でながら稜線をゆっくり歩く。

昨日とは違った感動がある。

剱・立山連峰は今日もしっかり顔を出し、

高山植物は変わらず咲いていた。

種池山荘は霧に包まれ、幻想的だった。

柏原新道を下りるのが名残惜しいが、

この風景はしっかりと脳裏に焼き付いている。

2日間の素晴らしい山行を思い出に

明日からまた頑張って生きよう!

2023年8月5(土)~6(日) 【距離】13.5km 【標高差】1,483m
市営第2駐車場(無料)。朝4:30で満車状態だ
駐車場の看板。柏原新道入口から扇沢駅側に少し登ったところにある
柏原新道の入口。ここから登山道は始まる。5:00スタート
登り始めの道。よく整備されていて歩きやすい
樹林帯の中を登っていく。石積みされた道
鳴沢岳と岩小屋沢岳だろうか。稜線が美しい
スバリ岳、針ノ木岳方面の稜線。下には扇沢駅が見える
ここはケルン。柏原新道にはいくつかのポイントがあり分かりやすい
登山道の状態を示す親切な注意看板もある
ここは八ッ見ベンチ。天気がよいと八ヶ岳が見えるらしい
石畳の道。よく整備されている登山道だ
石畳の看板もちゃんとある。
ここは水平道。たしかに平らで歩きやすい道
包優岬。「優しさを包む岬」とはなかなか洒落たネーミング
このポイントは分かりやすい。石のベンチが置かれた「石ベンチ」
アザミ沢。アザミが咲き誇る道
お花もキレイ。ヤマブキショウマ
登山道に咲く花々に心が癒される
歩きやすい。両側には高山植物が
要所要所で見かける通行注意の看板。
危なそうな箇所。落石に注意して速やかに通過する
危険個所を抜けると気持ちのよい道に
ここから富士見坂。登りがきつくなってきた
いよいよ最後の急登、その名のとおり鉄砲坂。
急な登りの先には、赤い屋根の種池山荘が見えてきた
種池山荘への道沿いはお花がキレイ。ウサギギク
つい撮りたくなってしまう。ヤマハハコ
スタートから3時間10分。種池山荘に到着(8:10)
三角屋根の種池山荘。ピザが有名だが10時から販売なので食べられず
綿毛となったチングルマの群生
爺ヶ岳方面へチングルマの道をいく
振り返ると、オレンジ屋根の種池山荘。その後ろには立山連峰が
絵になる風景。種池山荘と剱・立山連峰
こちらも絵になる風景。種池山荘と針ノ木・蓮華岳の稜線
これもいい。種池山荘と剱・立山連峰、そして針ノ木稜線
爺ヶ岳の手前で見かけたライチョウ。天気がよいのに顔を見せてくれた
爺ヶ岳南峰への分岐。荷物をここにデポして山頂へ
爺ヶ岳南峰の山頂。今日はよく晴れ、ガスもない
剱・立山連峰も見事に見える。素晴らしい景色にうっとり
その先の爺ヶ岳中峰、北峰への稜線
登山道脇の斜面にはコマクサが咲く
爺ヶ岳中峰への分岐。寄らずに冷池山荘へ向かう
長野県側からガスが湧いてきた
登山道で見かけた高山植物、イワギキョウ
登山道で見かけた高山植物、ミヤマダイコンソウ
冷乗越。ここまで来れば、冷池山荘はもうすぐた
冷池山荘が見えた。下って登れば到着だ。
やっと到着。スタートして6時間20分。最後の最後に足が攣ってしまった
冷池山荘の玄関。テント場はここからさらに登る
これが冷池。とても小さな池だ
山荘から約15分登ってやっとテント場に到着。剱岳が見えるように配置
やっとこの時がきた。午後からは天気が崩れる予報なので、鹿島槍には行かずに飲む
歩いてきた爺ヶ岳方面を望む。青空が出てきた
鹿島槍を望む。南峰と北峰の双耳峰なのが分かる
テントの中から見る剱・立山連峰
昼食の準備。睡眠ほぼゼロでスタートし、疲れすぎて食欲がない
最高の景色だ。剱を前に食事タイム
爺ヶ岳からの稜線。二重の虹が出ていた。
夕方になりガスガス状態。もうすぐ陽が沈む
ガスに包まれた剱岳に陽が沈む。
ガスが抜けて夕焼け空に。テント場から見る最高の瞬間
早朝の雲海。昨日攣った内転筋が痛むので、鹿島槍をあきらめてピストンで下山することに
雲海の中を陽が昇る。鹿島槍は断念したけど、この景色が見られたからよしとしよう
陽があたる山々。冷池山荘の向こうに布引山、そして鹿島槍
うごめく雲は生きているようだ。瞬く間に陽が高くなる
爺ヶ岳の向こうに種池山荘が見える。昨日歩いてきた道
雲に守られているような剱岳の雄姿。
チングルマの綿毛のアップ。キレイだなあ
シモツケソウ
ウサギギク
オオバギボウシ
霧の中の種池山荘。ここから柏原新道で扇沢へ下りる