赤岳へ。県界尾根から岩登りを楽しむ
- 2023.06.26
- 登山紀行


全身を使って岩を登る。
夢中で上をめざすこの時間が好きだ。
県界尾根で登り、
真教寺尾根で下りる赤岳周回ルート。
山頂が近づくと、急な岩場になり、
鎖場や鉄はしごが頻繁に出現する。
慎重に、岩を転がさないように
一歩ずつ確実によじ登る感覚が
僕は大好きだ。
もちろん、樹林帯の木漏れ日の中を
歩き、鳥の鳴き声に癒されながら
沢の音を聞きながら深い山に入っていく
その感覚も大好きだ。
登山道は急になり、森林限界を超え、
木々が低くなって景色が開けたときの
開放的な感じも大好きだ。
つまり山にはその時々の楽しみが
たくさん詰まっているのだ。








赤岳の東側から登る県界尾根。
小天狗までの2時間は、樹林帯を歩く。
小天狗から大天狗までは、
ゆるやかな道が続く。
正面には、めざす赤岳が姿を現し、
小さな僕たちを見つめている。



大天狗からは本日のクライマックス。
鎖場や鉄はしごをクリアしていく
大自然のアスレチックだ。
次々と現れる岩に顔がくっつきそうに
なりながら、よじ登る。
足場を確保して手がかりを探し、
ひとつずつ上へ上へ。
見上げれば、八ヶ岳ブルーの青空が
降り注ぐ、このシチュエーション。
その瞬間、とてつもない幸福感が訪れる。




登り切ったら終わってしまう
この愉しみが名残惜しい。
もう一回、少し下って、また登ろうか
などと馬鹿なことを考えてしまう。
そんな県界尾根もやがては終わりがきて
赤岳山頂、頂上山荘の裏手に到達した。






















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