日本で二番目に高い南アルプス・北岳へ
- 2022.11.04
- 登山紀行


標高3,000m、
肩の小屋にテン泊。
絶景の北岳をめざす。
奈良田駐車場に車を停め、バスで約1時間。広河原登山口から登山スタート。ゲートをくぐり抜けてしばらく歩くと、めざす北岳がドーンと見えた。テンションが上がるなあ。期待と不安で、わくわくドキドキしながら歩く。
最初は樹林帯の中を気持ちよく歩くが、しだいに斜面は急になり、息があがってきた。第一ベンチまで約1時間。ひと休み。さあ、まだ始まったばかり。頑張ろう。
出発から2時間45分で白根御池小屋に。とても綺麗な小屋で、多くの登山者が休憩している。ここから先は急登だから、疲れた足をマッサージしてゆっくり休憩した。









白根御池小屋までが序盤。ここから先、草すべりルートは急登の連続だ。足が攣らないように、長めの休憩を取りスタート。段差の高い岩を乗り越えて急坂をゆっくり進む。足の筋肉がビリビリと悲鳴を上げている。できるだけお尻の筋肉を使うよう意識して一歩一歩を踏み出す。足を交互に前に出せば、いつかは目的地に着くのだ、と自分に言い聞かせて登る。
やっと稜線に出た。うれしい。
小太郎山分岐点。雲の中に山脈が姿を見せる。ここまで来れば、肩の小屋は近いはず。元気が湧いてくる。しかし足が疲れて、なかなか思うように進まない。前に立ちはだかる岩山を越えれば、目的地は近い。攣りそうな足をゆっくりと高く上げて岩を踏む。
そしてやっと肩の小屋に到着。ふうっ。本日の幕営地だ。
まずはテント場受付へ。少し離れた稜線上とトイレ下の富士山側、2つのテント場がある。トイレに近い方のテント場に決めて、早速設営。初めて使うアライの「トレックライズ0」はとても小さいが、身長163cmの私にはちょうどよい狭さ。
靴を脱ぎ横になると、足がジーン。そして睡魔が・・・お昼ご飯を食べなければ。
午後1時過ぎ。あたりは真っ白、霧の中。肩の小屋の外のテーブルで無印良品の「ロコモコ」とご飯、そしてビールでランチタイム。最高のひとときだ!
















肩の小屋から見る景色は、一瞬一瞬で見事に変わっていく。真っ白な雲に覆われていた山々が、見る見るうちにその姿を現したかと思うと、すぐにまた雲の中へ。見るものを飽きさせない山の景色は、標高3,000mにいるものの特権だ。
甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳の対照的な山容。荒々しい逞しさを持った甲斐駒ヶ岳。穏やかで優しい仙丈ケ岳。交互に眺めることができる幸せ。
日没に向かって、陽の光の変化により山々の色合いも変わってくる。まるで雪をかぶっているような花崗岩の白い甲斐駒ヶ岳が、しだいに赤味を帯びた色に。同じ山でもこんなに表情が違うのかと、新たなる発見に感動した。










翌朝、ご来光はテン場で迎える。昨日は見えなかった富士山も綺麗に見える。幸せなひととき。ずっと見ていたい。
ゆっくりテントを撤収して、いよいよ北岳山頂へ向かう。肩の小屋から登り、振り返るとテン場が見え、その向こうには昨日と顔つきの異なる仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳が見える。
さらに進むと、左手には鳳凰三山が。地蔵岳のオベリスクがはっきりと見える。昨日とちがって晴れ渡る清々しい天気に感謝。
そしてついに山頂に到着。360度視界が広がる大パノラマだ。風もなくポカポカ陽気の山頂。そこからの景色はあまりにも爽快で気持ちよく、ずっと見ていても飽きない。
友人と二人、この素晴らしい景色に感謝し、しばらくの間、最高の時間を過ごした。
長居しすぎたので、間ノ岳までの縦走はあきらめ、八本歯のコル、左俣コースを通り、白根御池小屋経由で広河原登山口まで下山した。

















2022年9月10日~11日 曇りのち晴れ |
広河原登山口 ➡ (2時間45分)白根御池小屋 ➡ (1時間45分)小太郎山分岐点 ➡ (30分)北岳肩の小屋 ➡ (35分)北岳山頂 ➡ (2時間30分)白根御池小屋 ➡ (1時間30分)広河原登山口 |
-
前の記事
南アルプス、雨霧の甲斐駒ヶ岳 2022.09.04
-
次の記事
紅葉を愛でる山旅。西丹沢・檜洞丸 2022.11.20
コメントを書く