南アルプス、雨霧の甲斐駒ヶ岳
- 2022.09.04
- 登山紀行


予報を信じて決行したが、雨の登山となってしまった!
明け方までは雨が残るが、
しだいに雲は取れ晴れてくる。
天気予報を信じて、
久々の晴天登山になるはずだったが、
午前中いっぱい雨霧の山行となった。
まあ登山ではよくある話だ。
初めての甲斐駒ヶ岳は、北沢峠から登ることに。
友人が黒戸尾根から日帰り山行をしたが、
標高差2,000m、距離20kmと聞いて、
とてもじゃないけど、私には自信がなかった。
仙流荘に朝の4時半に着き、そこからバスで登山口のある
北沢峠に向かうため、チケット売場に並ぶ。
雨がしとしと降っている。
今日は日曜日ともあって人数は多いが、
この天気なので、まだ20人くらいだろうか。
駐車場も混んではいなかった。
北沢峠は標高が2,030m。甲斐駒ヶ岳まで937m標高を上げる。
仙丈ケ岳へ登るルートと真っ二つに分かれる。
圧倒的に仙丈ヶ岳に行く人が多く、
駒ヶ岳に向かう人が少ないのはなぜだろう。
最初は樹林帯の中をひたすら登っていく。
雨霧がウェアを濡らす。
熊鈴の音を聞きながら静かな森を進む。
四合目の双児山に到着するも視界はなく、
辺りは霧がかかってなにも見えない。
経口補水液をたっぷり飲んで
水分と電解質を補給。
足が攣らないように祈りながら歩を進める。
駒津峰を過ぎると鎖場が登場。
濡れて滑りやすくなった岩を慎重に掴んで登る。
景色は抜けるが雨は止まず、
周りは真っ白で何も見えない。
八合目を過ぎ、急登が続く。
山頂まで1時間の標識まで来た。
直登ルートと巻道ルートの分岐だ。









雨で滑る岩を慎重に掴み、岩登りを楽しむ。
濡れた岩のぼりは危険と分かりつつも、
直登ルートを選ぶ。
岩に書かれた矢印や丸印を頼りによじ登る。
ゆっくりひとつずつ
岩を制覇していく感覚に胸が躍る。
心臓の鼓動が早まり、
全身の筋肉が躍動している。
前にも後ろにも登山者の姿はなく、
自分ひとりがこの岩場を占領する。
平らな岩でひと休み。
疲れた足の筋肉をマッサージし、
心拍を落ち着かせる。
ヤマップの地図だと、山頂まであと少し。
楽しみながら、ゆっくり行こう。
そのとき、雲がすうっと流れ、
山々が露わになった。巻道の方角だろうか。
花崗岩の白砂の道を蟻のような人が歩いていた。






花崗岩の険しくも優しい表情。山頂で雲が抜けた!
スタートから約3時間10分。山頂に到着した。
雲がうごめき、正面の仙丈ケ岳が
顔をのぞかせた。
360度の視界はないものの、
雲の切れ間から南アルプスの山々が
見えるではないか。
駒ヶ岳神社の神々しいお姿や剣の荘厳さなど、
標高3,000m近い山の上で見る
神々たちに感謝。
花崗岩が風化して白い砂地となった斜面や
緑と白のコントラストの美しさ。
岩稜で厳しくも、どことなく優しさを秘めた
駒ヶ岳にしばし感動。
風もなく、穏やかな山頂でお昼ご飯を食べ、
ゆっくりと景色を愛でたあと、
直登ルートではなく、巻道から下山した。
慎重に、そしてやや早歩きで下りる。
2時過ぎには北沢峠に到着した。
この日はラッキーなことに臨時便が出ていて
2時16分発のバスに乗って帰路についた。

















2022年8月22日(日) 小雨のち曇り |
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