東と西の双耳峰・天狗岳を周回する
- 2022.07.28
- 登山紀行


苔と岩の森を、自然と一体になって歩く
北八ヶ岳の天狗岳は、2つの峰を持つ双耳峰だ。
今回は、唐沢鉱泉登山口から時計回りで周回するルートを選んだ。まだ歩いたことのない“天狗の奥庭”を経由して登ってみたかったからだ。
5時40分に駐車場に到着。もうすでに駐車場は満車。林道脇に駐車もビッシリ。なんとか邪魔にならない場所を見つけて車を停めた。やはり人気の山だし、土曜日なので混んでいた。
登山口からスタートし、まずは黒百合ヒュッテをめざす。
静かな樹林帯の中をゆっくりと歩く。ときより沢の音や鳥の声を聴きながら、橋を渡り、水たまりを避けながら岩を飛び、早朝の森を軽快に進んでいく。
2時間ほどで黒百合ヒュッテに出た。
残念ながら黒百合ヒュッテは工事中のため営業していなかったが、トイレは使えたので助かった。少し休憩をとり、ここからが楽しみにしていた東天狗への直登ルートだ。







“天狗の奥庭”から見る2峰の天狗が最高だった!
黒百合ヒュッテの正面の急な岩場をグングンと登っていく。足場、手がかりはしっかりあるので登りやすい。太陽が眩しく、天に上る気分でじつに心地よい。振り返ると黒百合ヒュッテが小さく見えた。一気に標高を上げた感じがする。
急斜面はすぐに終わり、平坦な場所に出た。開放感のある広々とした岩場。目の前には2つの峰。東天狗と西天狗がドーンと見えるではないか。空は青、山は緑。風もなく陽は輝き、最高の時間だ。
雪解け水や雨がたまると出現すると言われるスリバチ池が左手に見えた。前方には双耳峰が手招きをするように佇んでいる。天狗の奥庭と呼ばれるこのあたりは大きな岩だらけ。岩を飛んだりまたいだり、こんなところを歩いている自分はなんと幸せなのだろう。しばらく大きな岩に腰掛け、天狗を眺めながら自分だけの時間に浸った。
天狗の奥庭上からは急な登りになった。岩にペイントされたマーキングを頼りに、両手両足を使いながら岩登りだ。全身の筋肉を働かせて上へ上へと高度を上げていくと、30分くらいで稜線にでた。東天狗はすぐそこに見えている。











山頂からの雄大な景色に、自然と笑みが
稜線からひと登りすると東天狗岳の山頂に着いた。眼下には真っ白な雲がうごめき、南八ヶ岳の峰々が姿をあらわにしている。赤岳や阿弥陀岳がすぐ近くに見える。硫黄岳までの白砂の稜線や根石岳山荘もしっかりと見えている。
山頂には次々と登山者が集まってきた。みんな笑顔で清々しい表情だ。僕はしばらく平らな岩に腰掛け、眼下の山々に雲が流れていく様子を眺めていた。風もなく、穏やかな山頂は、とても居心地がよかった。
西天狗に向かう尾根も気持ちのよい道だ。正面には西天狗。後ろを振り返れば、今までいた東天狗が見える最高のシチュエーション。思わず両手を広げて、青空を仰いだ。
西天狗岳山頂に到着し、再び休憩。色々な登山者が行き交い賑やかな山頂。健脚なご年配の方とお話しさせていただき、とても楽しい時間を過ごすことができた。みんな山が好きで、こんな自然の空気に触れるために登ってくるのだろう。そして僕も心から笑みがこぼれてしまうのだ。











2022年7月23日 晴れ |
唐沢鉱泉➡(2時間)黒百合ヒュッテ➡(1時間15分)東天狗岳➡(20分)西天狗岳➡(2時間15分)唐沢鉱泉 |
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